夜と霧
■書評
夜と霧
この本は、心理学者が強制収容所での実体験から、人間の精神がどのように変化していくのかを述べた本である。
①収容所に入った直後、②収容所内での生活、③収容所から脱出後の大きく三段階に分かれている。
①、②では、まともであった人間が収容所という劣悪な環境でどのように精神が壊れていくのかを
学者らしく淡々と書きとめられている。
まずこの点に、正直驚いた。この本を購入前は、もっとグロテスクな絵を描くものを想像していたが
この本では、確かに悲惨な表現なある。しかし、心理学の研究として、著者は書きとめており、
その客観的な分析を収容所という極限状態で行っていたというその精神力は、すさまじいと言えるだろう。
③では、著者が収容所から脱出後に、さらに冷静な人間の精神についての分析が行われている。
■この本で学んだこと
人間は、誰かに必要とされていないといけない。誰かが待っていると信じるだけでも、過酷な環境にも耐えられる。
『なぜ生きるのかを知っている者は、どのように生きることにも耐える』 byニーチェ
人間には、二つの『種族』がある。まともな人間とまともではない人間。
この二つのどちらがだれで構成される『純血』な組織は存在しない。
筆者コメント
もう一度時期を改めて再読してみたいと思う。