質問力
「質問力」
最近よくビジネス書などで聞く言葉だ。では、なぜ最近この言葉をよく聞くようになったのであろうか?
質問といっても、いくつかの種類に分類できるであろう。
①新しい情報の入手
②関係性を有利にする
③コミュニケーションの一つの手段
④真因の追求
まず①は、一番単純である。質問、すなわち分からないことを尋ねるということである。分からないことを
知ることで新しい知識が自分に蓄積されるわけだ。
次に②は、質問の仕方次第で交渉時において有利な状況に導くことが出来る。
例えば、セールスの場合、相手から「YES」という返答が得られる質問をすることでその交渉の成功率は向上
するであろう。人間は一度でも「NO」という拒否反応を示してしまうとそれ以降はなかなか「YES」という
行動には出ないようになっているらしい。このことは、本で得た知識であるが、自身の経験からといっても
正しいだろう。
③は、初対面で会った人やあまり交流関係が浅い人との場面に使うことになる。初対面であれば、出身地は?とか
今日はなぜここに来たのですか?など相手に対する情報を入手することでお互いの共通点などを発見できる。
なによりも、質問される側にとってすれば、自分に興味があるという印象を持ち、
その後の印象もよくなると言えるだろう。
最後に、④は、なぜという質問を繰り返すことで課題に対する答えを導きだすという事である。①の新しい情報を
入手するに似ているかもしれないが、このなぜという質問の答えは、他人に聞けば簡単に分かるものではない。
自身の頭を使わなければ答えが得られないのである。
このように質問を4つに分類してみると、なぜ最近ビジネス書で質問力というワードが多くあるのかが見えてくる。
①においては、現代は情報化社会で自分の知りたいと思ったことは、インターネットを使えばすぐに調べることが出来る。
しかし、その一方でインターネットを使わないでいかに情報を入手するのかという側面が弱まったいるのではないだろうか?人に聞く方法とインターネットを利用する方法があるが、インターネットが便利なのはもちろんであるが、インターネットにも向き・不向きがあるのをキチンと理解する必要があると言えるだろう。
②については、営業にとっては必要不可欠のこと、それ以外の職種であっても上司などの社内での交渉の機会はいくらでもあるはず。そうした時、自分の提案を通したい場合には、相手から承諾を得るテクニックが必要となる。ビジネス書で質問力と書かれた物の多くはこのことについて述べられているものが多いだろう。
③は、質問力というよりもコミュニケーション力について書かれた本でよく見かけるものである。口下手の人にとっては、初対面の人と何を話していいのか分からないといった状況になることが多いだろう。
そんな時に、質問のパターンを知っておくだけで、安心もするし相手の情報を知ることでより緊張がほぐれているというメリットが挙げられる。
最後に④は、トヨタ自動車で導入された有名な手法である。なぜを5回繰り返すことで本当の原因(真因)が発見できるという物である。トヨタはこのなぜを徹底することにより、生産方式の改善活動に常に行うことによって、その生産を効率的に行うことに成功したのである。
以上のように、質問には様々なメリットがある。
しかし、この質問力というのは、日本人にとってはなかなか苦手なことであろう。なぜなら、日本の教育は与えられた問題に対して正解を導きだすという方式であるからである。質問というのは、いざするとなると難しいものである。だからこそ、日ごろからの質問する事を意識しながら行動しなければならないと思う。
筆者コメント
あぁ~自分の中で要点をもっと整理しなければ・・・